世界に誇るべき日本のバンクシーについて、知られていない事実がたくさんあります。
海外を拠点にしているが故に、日本では知られていないAITO KITAZAKIの13の真実を紹介していきます。
- 日本のバンクシーAITO KITAZAKIが現代アート展で制作した作品『Talk is cheap』解説
- 和製バンクシーAITO KITAZAKI作品「This is a regret」解説
- 西武池袋で開催されたAITO KITAZAKI “NOTICE” 個展に行ってみた
1989年生まれ、神奈川県出身
ジャパニーズバンクシーこと「北崎 亜唯斗/AITO KITAZAKI」は、1989年神奈川県相模原市生まれです。
高校を卒業後、日本の社会の息苦しさに違和感を覚え、アートを通して日本を変えたいと決意したといいます。アーティスト活動の方法を模索中、バンクシー作品と運命的な出会いをしたことによって、ストリートアーティストという道を見つけ活動を開始しました。
原宿で警察に捕まる
18歳の時、人生で初めての作品を原宿に描いたそうです。
麻生総理を風刺したものを作ってスプレー買い、夜中原宿に行きいたるところに描き残しました。しかし、パトカーに追いかけられ、無許可のためあえなく警察に捕まってしまいます。
人生初の作品を描いている時は「これで日本を変えられる」と達成感も感じていたAITO KITAZAKIでしたが、人生初警察に捕まり日本でのストリートアート活動の難しさを痛感したといいます。「このままでは日本を変える事は出来ない」と思い、2012年21歳の時、ストリートアートを学ぶため本場ロンドンへ渡英します。
ロンドン初個展で日本のバンクシーと評価
ロンドンの合法な壁「リーガルウォール」の中でも有名なトンネル「バンクシートンネル」。そこに毎晩壁画を残し続け、独学のストリートアートは徐々に存在を知られ始めます。
渡英の翌年2013年に、ロンドンの「Graffik Gallery」やニューヨークの「Bottleneck Gallery」、ドバイ、ロサンゼルスで開催されたグループショーで多数の作品を出展します。
そして、2014年1月、ロンドンの「Graffik Gallery」にて「MUGENGIKKOU / 無言実行」というタイトルで自身初となる個展を開催。開催前から作品購入希望者が出るなど、予想をはるかに超えた盛り上がりで個展を成功させます。 アート関係者や海外メディアからは『Japanese Banksy』と評されました。
日本初の個展を開催
同年4月に帰国し、東京にて日本初の個展「Life is too short / 人生は短すぎる」を開催しました。
翌年2015年には、2011年の東日本大震災の現状を伝えるべく、被災地の福島で映像作品『FILM OF FUKUSHIMA2016』を製作。南相馬市の小学校の全生徒278名に夢を描いてもらった共同の壁画作品で、全世界に福島の子ども達の笑顔と希望を発信します。
強いメッセージ性のある作品が評価され、日本各地の企業や店舗から壁画依頼を受け、活動の幅を広げていきます。
世界中から壁画制作の依頼が届く
ストリートアート=落書きではないことを日本中に広めた2016年以降は、日本のみならず、アメリカ・アジアへと活動範囲を広げていきます。
ニューヨークや上海、フィリピンなどからも壁画制作の依頼が届くようになりました。
セブ島のカフェSkilletにある作品『No one can live alone』
フランス人監督のストリートアート映画に出演
フランス人映画監督セドリック・ゴディンが製作した、ストリートアートのドキュメンタリー映画「X art」に、ストリートアーティストとして日本人唯一出演しました。
セドリック・ゴディン監督は、出演するストリートアーティストを選考した経緯をこのように語っています。
監督として重要なのは、あらゆるレベルで十分な経験を持つアーティストたちの情熱、技術、活動を多くの聴衆に伝えることができるかということです。ストリートアーティストの選考は、キャリアや作品における真の社会的・政治的メッセージ、活動の継続性、そして芸術的な目標を持っているかが必要不可欠でした。
なんて楽しいんだろう、資本主義やバンクシーを連想させないストリートアートのドキュメンタリー映画って。
新たな漫画スタイルへシフト
2018年には「Japanese Banksy」と評されていたステンシルスタイルから、漫画スタイルへとシフトします。
前作までの海外アートシーンを強く意識してきたスタイルではなく、日本が持つ独特の文化・精神を漫画スタイルで巧みに表現した唯一無二の新しいスタイルを確立。
AITO KITAZAKIはこのように語りました。
前作までのストーリーは完全に終わり 、今作から「Kokorozashi」という名の新たな物語が始まる。
2019年には、ドイツのベルリンへと拠点を移し、ヨーロッパ全土をキャンバスに壁画を残していきます。新たな世界観を広げ、AITO KITAZAKIの真骨頂でもある強烈に突き刺さるメッセージ性は、さらなる進化を遂げます。ヨーロッパでの壁画製作の様子は、AITO KITAZAKI YouTubeチャンネルに公開されています。
日本経済新聞で和製バンクシーと紹介される
2021年8月には、札幌証券取引所へと飾られる自身初となる10mの巨大屏風作品『一双ノ馬鹿』を製作します。
無謀な夢を追い求め生きるのも馬鹿 堅実に世を渡り歩き生きるのも馬鹿
どちらの馬鹿も大間違えならば はなから正解なんて望まなくていい ただ好きな方を選べ ただそうでありたい方を選べ さては どちらの馬鹿と成りて この混沌の世を駆け抜けるのか 一世一代の大博打 己の人生を賭けてみろ
このようなメッセージを込めた作品を製作する模様は、日本経済新聞に掲載され「和製バンクシー」と紹介されました。
10年間120作品を収めた初の作品集を出版
2022年、活動開始から10年目の節目に、ストリートアーティスト人生を収めた初の作品集『You never Know until You Try / やってみなければわからない』を出版します。
バンクシーの作品とかメッセージ性とかではなく「自分が正しいと思ったことを、世界のルールに反しても貫く生き方」に憧れはじまったストリートアーティスト人生の「10年間の生き様をまとめた本」は、クラウドファンディングで147%の支援を達成しました。
10年間のストリートアーティスト人生を賭けた本を制作!~AITO KITAZAKI~
UK出身、伝説アーティストとコラボ作品
2023年2月、イギリス出身の伝説的アーティスト「Dotmaster/ドットマスター」と東京の墨田区、曳舟駅近くの「ホルモン処89肉酒場」のシャッターにコラボ作品『風に吹かれて / Blowin’ In The Wind』を製作します。
西武池袋で個展“NOTICE”を開催
2023年5月3日からは、東京・池袋の西武そごうで個展「AITO KITAZAKI “NOTICE”」を開催しました。
世界で起きているさまざまな問題《戦争・差別・環境問題など》をなくすためには、人間自体が変わるきっかけが必要というメッセージを込めて「”NOTICE”=気づき 人が変わるきっかけとなれ」というコンセプトで行われました。
実際に使用したであろうステンシルやミクストメディア作品、Bloodシリーズなど、40点もの作品が展示されたエキシビジョンになりました。
西武池袋で開催されたAITO KITAZAKI “NOTICE” 個展に行ってみた
現代アート展で注目を集めるとテレビで紹介
バンクシーに影響を受けて創作活動を始めたAITO KITAZAKIの作品が現代アート展で注目を集めているそうです。https://t.co/MRsv0pYfjN
三連休初日と明日はライブペインティングもやっているらしい。展示の内容もかなり興味深い https://t.co/DNxT6OVwYB pic.twitter.com/iX7jH0VOc0
— BANDAL🎈バンクシー非公式マガジン (@bandal_jp) July 15, 2023
2023年7月、愛媛県のいよてつ高島屋で開催された「現代アート展」で注目を集めているアーティストとしてテレビ放映されました。
AITO KITAZAKI作品は日本人の応援
AITO KITAZAKIは、ストリートアーティストが「日本の社会を変える未来」を描き10年以上活動を続けています。
赤い風船を持つ少年、ルールに縛られたサラリーマン、クソ退屈に拘束された男、失敗を描き続ける青年などAITO KITAZAKIが描く作品は、日本人の背中を押すメッセージ性の強い作品になっています。
「今ある現状を打破しようともがいている人にエールを送ること」と「人の意識が変わるきっかけを与えること」が作品に共通したメッセージ性です。
これらの作品がストリートで描かれているのは、日本ではなく海外が多い。海外からメッセージを発信するAITO KITAZAKIの作品は、海外にいる日本人や海外に挑戦する日本人をはじめ、すべての日本人を応援する作品になっています。
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