バンクシー非公式マガジン

バンクシー作品解説

【ブリストル】バンクシーマップ18作品!BANKSYの故郷を巡るデジタルツアーへご案内

バンクシーの故郷と知られるブリストル。

バンクシーの匿名性を保ったままの破壊的行為は、現代社会の問題と体制に対する風刺的なメッセージで世界的に知られています。

ブリストルの街を散策すると、バンクシーの作品に出会えるかもしれません。芸術を愛する人や、都市社会の創造性を愛する人にとって、ブリストルは必見の街です。

ようこそ、バンクシーデジタルツアーへ。

このツアーの案内人、バンクシー非公式マガジンBANDAL編集部です。

このツアーでは、バンクシーの故郷ブリストルに残されたストリート・アート18作品の場所を示すマップを元に、現存する作品・保護された作品・消された作品別、年代順に詳しく紹介していきます。

ブリストルに住んでいる方も、これからブリストルに行く方も、ブリストルには行かないけどデジタルツアーに参加したい方も、ぜひ最後までお楽しみください。

バンクシーのストリート・アートは、消されたり、塗りつぶされたり、盗まれたり、保護されるなど、作品の運命は市民に委ねられています。

本記事は、最新かつ正確な情報を皆さまへお届けすることを心がけております。

もしも記事内の情報が変わっている場合は、X(旧Twitter)やBANDALの公式LINEにてお知らせいただけますと幸いです。直ちに修正いたします。

バンクシーマップ in ブリストル

ブリストル市立博物館・美術館『Banksy versus Bristol Museum』

2009年6月13 日~8月31日、バンクシーは故郷ブリストル市が運営する「ブリストル市立博物館・美術館」で、特別な展覧会『Banksy versus Bristol Museum』をゲリラ的に開催しました。

バンクシーの公式展覧会は、いつもゲリラ開催されます。事前に開催を発表すると、正体不明のアイデンティティが失われる可能性があるからです。限られた関係者のみで開催準備が進められ、バンクシー自身も展示準備に参加している可能性が高いです。

ブリストル美術館は、一夜にして金魚鉢の中で泳ぐフィッシュフィンガー、ホットドッグ、チキンナゲットなど、不自然な歴史の動物園に変わりました。

絵画は、巨匠の歴史的なコレクションの中に展示され、彫刻やその他の作品が美術館全体に点在していました。

『Banksy versus Bristol Museum』の入場料は、無料でした。バンクシーはこれまで迷惑をかけてきたブリストル市民に恩返しのために、開催資金をすべて実費で賄いました。

ブリストル美術館に集まった人々は、展覧会に入場するために列をなし、入場するまでに7時間も並ぶ人もいました。

『Banksy versus Bristol Museum』には、100点以上の作品が展示され、そのほとんどはこれまでに公開されていなかったものでした。

Paint-Pot Angel

『ペイント・ポット・エンジェル』は、2009年に開催され大成功を収めた展覧会『Banksy versus Bristol Museum』で展示された作品の1つです。

天使の彫刻の頭には、ピンクの絵の具の缶が被されています。

『ペイント・ポット・エンジェル』は、『バンクシーvsブリストル美術館』で象徴的な作品となり、今でもブリストル美術館・博物館内の彫刻ホールで見ることができます。

Bristol Museum & Art Galleryの場所は、Queens Rd, Clifton, Bristol BS8 1RL イギリス

Bristol Museum & Art Galleryは、化石、ロマの幌馬車、バンクシーの作品など、考古学や地質学の資料、芸術作品を展示する博物館です。

ブリストルで保存・販売されてたバンクシー2作品

ブリストルにある博物館に保存されている作品と、販売された作品の2つを年代順に紹介していきます。

年代バンクシー作品名
2003年Grim Reaper
2021年Bristol Colston T-Shirt

Grim Reaper

ブリストル出身のバンクシーの中で、最も悪名高い作品の1つが『Grin Reaper』です。

元々はブリストル港に係留されている「Thekla Social」ボートの側面に描かれていましたが、2014年8月に損傷や摩耗から保護するために鋼鉄の船体から作品が取り除かれ、現在はブリストルの「M Shed」に展示されています。

Grim Reaperの場所は、Princes Wharf, Wapping Rd, Bristol BS1 4RN イギリス

「M Shed」は、1950年代の埠頭の上屋を使い、街と住民の歴史を詳しく紹介する博物館です。

Grim Reaperの意味

『Grim Reaper/グリンリーパー』は、死神との遭遇を意味しています。

日本語では「死神」と訳されますが、正確には”神”ではないため、大鎌を持つ骸骨の姿で表された「死」というニュアンスが適切です。

「死神との遭遇」は、バンクシーが繰り返し作品にするテーマです。

Colston Bristol T-Shirt

『Colston Bristol T-Shirt』は、ブリストルに5店舗しかないベッドミンスターの「フレンドリー・レコード」で販売されました。

Tシャツの販売は、英国の奴隷商人エドワード・コルストンの銅像を引き倒し、川に投げ込んだとして裁判中のグループ「The Colston Four/コルストン・フォー」への資金を集めるバンクシーのキャンペーンの一環でした。

Colston Bristol T-Shirtの元になった銅像の場所は、1945 Colston Ave, Bristol BS1 4UA イギリス

これらのシャツは、5店舗それぞれに300枚ずつ限定1,500枚が販売されました。

2021年12月11日土曜日の早朝、店頭には開店を待つ大勢の人々が並び、発売後すぐに完売しました。

ブリストルに現存するバンクシー8作品

続いて、ブリストルに現存する9作品を年代順に紹介していきます。

年代バンクシー作品名
Cat and Dog
1999年Blowpop Records
1999年The Mild Mild West
2000年Rose on a Mousetrap
2006年Well Hung Lover
2011年You Don’t Need Planning Permission to Build Castles in the Sky
2014年Girl with a Pierced Eardrum
2016年Kid Rolling A Burning Tire

Cat and Dog

ブリストルに現存する最初期のバンクシー作品『Cat and Dog』。

『Cat and Dog』は、バンクシーが DryBreadZ Crew (DBZ) のメンバーだった時代に制作されたグラフィティで、バンクシーのアーティスト活動における初期のマイルストーンを示しています。

バンクシーの特徴的なステンシル技法を利用する前の貴重な壁画です。

Cat and Dogの場所は、Robertson Rd, Easton, Bristol BS5 6JY イギリス

Cat and Dog』は、イーストン地区のロバートソン・ロードとフォスター・ストリートの交差点にあります。

Cat and Dogの特徴

『Cat and Dog』は、猫がこれから壁に創造的な表現を解き放つ様子を描いています。

エアゾール缶を持った猫の後ろには、2頭の番犬が近づいてきており、差し迫った緊張感を呼び起こしています。

無邪気さと脅威の組み合わせは、バンクシー作品によく見られる特徴で、興味深い並置を生み出します。

Cat and Dogのメッセージ

『Cat and Dog』の右上には、バンクシー作品のメッセージが描かれています。

There are crimes that become innocent or even glorious through their splendor, number, and excess.

その華麗さ、数、過剰さによって、罪のない、あるいは栄光にさえなる犯罪がある。

このメッセージは、アートを通して社会規範に挑戦する為に、反逆性、過剰さ、スケールのインパクトによって問題提起するバンクシーのスタンスを表明しています。

Blowpop Records

ブリストルに現存する最初期のバンクシー作品『Blowpop Records/ブローポップ・レコード』。

『Blowpop Records』は1999年、カポエイラ・ツインズがブローポップ・レコードからリリースするために作成された作品です。

バンクシーは、カポエイラ・ツインズのレコード・ジャケットの制作を申し出、手作業でステンシルした100枚限定のビニール・ジャケットをイギリスのDJたちに無料で配りました。

そして、ブリストルとロンドンの街に、レコードを街頭宣伝するために壁画を残しました。

Blowpop Recordsの場所は、34 Portland Square, St Paul’s, Bristol BS2 8RG イギリス

『Blowpop Records』は、ポートランド・スクエア近くのケープ・ストリートにあります。

Blowpop Recordsの特徴

『Blowpop Records』は、雄牛の角が取り付けられた1970 年代のマッスルカーに向かってマントを振る闘牛士(マタドール)が描かれています。

マッスルカーと闘牛士という伝統的な「男らしさ」を象徴する2つのシンボルは、時代錯誤的な愛情をユーモラスに表現しています。

バンクシーは、ブリストルの音楽レーベル『Blowpop Records』のオーナーと友人になり、無償でジャケットを作成したと言われています。

ジャケットには、バンド名や曲名、バンクシーのサインは描かれておらず、それがジャケットに特別な力強さを与えています。

The Mild Mild West

ブリストルに現存する最初期のフリーハンド作品『The Mild Mild West(マイルド マイルド ウェスト)』。

『The Mild Mild West』は、イングランド西部にあるブリストルを表現しており、1999年白昼の3日間かけて描かれた作品です。

The Mild Mild Westの場所は、Jamaica St, St Paul’s, Bristol BS1 3QY イギリス

『Blowpop Records』は、ストークスクロフトのターボ・アイランド近くにあります。

The Mild Mild Westの特徴

『The Mild Mild West』は、警察に火炎瓶を投げるテディベア特徴としています。

1990年代にブリストル周辺の倉庫で開催されたさまざまなレイブ(クラブパーティー)に応えて描かれたもので、警察がパーティー参加者を攻撃し始めた「ウィンターストーク・ロード」でのイベントがきっかけとなりました。

若者がどのようにして権威や権力に対して、反撃できるかを示しています。

絵画説明・解説
タイトルThe Mild Mild West
作品名マイルド マイルド ウェスト
年代1999年
場所ストークスクロフト・ブリストル
意味法執行機関や権威者による過度の武力行使への批判
特徴反戦争・平和主義愛と平和
メッセージ性無害で脅威のないテディベアが「不正義行為」に立ち向かう先入観に挑戦

Rose on a Mousetrap

ブリストルに現存するバンクシー作品『Rose on a Mousetrap/ネズミ捕りのバラ』。

『Rose on a Mousetrap』は2000年、静かで行き交う人もいない閑静な住宅街に突如として現れた小さな作品です。ある住民の自宅の壁に描かれた作品を壁画のまま保護するために、20人以上の地元住民がお金を出し合って、フレームを購入しました。

ブリストルの街中で、しっかりと保護されている作品の1つです。

Rose on a Mousetrapの場所は、Thomas St N, Cotham, Bristol BS6 5TN イギリス

Rose on a Mousetrap』は、トーマス・ストリート・ノースの壁にあります。

2020916日『Rose on a Mousetrap』が、破壊者に襲われました。しかし、フレームのおかげで完全には塗りつぶされませんでした。

Rose on a Mousetrapの特徴

『Rose on a Mousetrap』は、旧式のネズミ捕りの上にバラが仕掛けられている様子が描かれています。

街の害獣を駆除するためのネズミ捕りと、愛を表現するバラの組み合わせは、Love Hurtsを表現しています。

Love Hurtsとは、愛によって傷つく、愛は痛むことを意味します。これは、バンクシーが作品にし続けている長年のテーマです。

Well Hung Lover

ブリストルに現存するバンクシー作品『Well-hung lover(うまくぶら下がる恋人/バスルームの窓からぶら下がる裸の男)』。

2006年に「性的健康クリニック」に描かれた壁画は、ブリストル市議会による調査の結果、裸の男が描かれているにもかかわらず、遡及的に許可と保護が認められた「イギリス初の合法的なストリートアート作品」です。

Well-hung loverの場所は、1 Unity St, Bristol BS1 5HH イギリス

『Well-hung lover』は、フログモア・ストリートとパーク・ストリートの交差点にあります。

Well-hung loverの特徴

『うまくぶら下がる恋人』は、秘密が愛人の夫にばれそうになり、裸のまま窓からぶら下がっている男性特徴としています。

裸の男の身体的および感情的な脆弱性は、人間のつながりのもろさと、人々が愛情を求めて努力する長さを意味しています。

また、セクシュアリティ・人間関係・社会規範について、危険な状況であっても、人々は予期せぬ方法でお互いにしがみついているというメッセージが込められています。

絵画説明・解説
タイトルWell-hung lover
作品名うまくぶら下がる恋人
年代2006年
場所フログモア ストリート、ブリストル
意味人間のつながりのもろさ
特徴愛と平和
メッセージ性人々は予期せぬ方法でお互いにしがみついている

You Don’t Need Planning Permission to Build Castles in the Sky

『天空の城を建てるのに計画許可は必要ない/You Don’t Need Planning Permission to Build Castles in the Sky』は、2011年に描かれたシンプルなレター作品です。

メッセージは、笑顔の形をしており、目の部分には通気口が2つあります。

この建物の所有者は新たにドアを設置し、引用文の一部を書き換えました。ドアの設置で、顔の対称性が崩れてしまいました。

この作品は、言語と形式を知的に組み合わせるバンクシーのスキルを証明しています。

You Don’t Need Planning Permission to Build Castles in the Skyの場所は、99 Lower Lamb St, Bristol BS1 5TL イギリス

『天空の城を建てるのに計画許可は必要ない』は、ブリストル大聖堂の近くの市内中心部で、ローワー・ラム・ストリートの中央図書館の裏手の道路の終点にあります。

Girl with a Pierced Eardrum

バンクシー作品『Girl with a pierced eardrum(イヤードラムをつけた少女)』とは、フェルメール名画『真珠の耳飾りの少女(Girl With a Pearl Earring)』をモチーフにタイトルをもじった壁画です。

Girl with a Pierced Eardrumの場所は、Hanover Pl, Bristol BS1 6UT イギリス

イヤードラムをつけた少女』は、特徴的な真珠のイヤリングが、屋外の防犯警報装置 (ADTに置き換えられているのが特徴です。屋外の防犯警報装置が市民を苦しめていることを意味しています。

絵画説明・解説
タイトルGirl with a pierced eardrum
作品名イヤードラムをつけた少女
年代2014年10月20日
場所ブリストル・マリーナ近く
意味警察による過度な管理社会への批判
特徴反体制・反権威主義
メッセージ性屋外の防犯警報装置が市民を苦しめている

Kid Rolling A Burning Tire

バンクシーの『Kid Rolling A Burning Tire(燃えているタイヤを転がす子供)』は、ブリッジファーム小学校の家の1つに彼の名前を付けた子供たちへの感謝の贈り物として行われました。

許可を得るよりも許しを得る方が、常に簡単であることを忘れないでください。

Kid Rolling A Burning Tireの場所は、E Dundry Rd, Whitchurch, Bristol BS14 0LL イギリス

『燃えているタイヤを転がす子供』は、燃えているタイヤを転がす子供を特徴としており、英国および世界中の義務教育の現状と子供たちの生活に対する破壊的なメッセージです。

絵画説明・解説
タイトルKid Rolling A Burning Tire
作品名燃えているタイヤを転がす子供
年代2016年1月
場所ブリッジファーム小学校
意味子供たちへの感謝の贈り物
特徴反体制・反権威主義
メッセージ性子供が人生の膨大な時間を学校で過ごす義務教育への批判

ブリストルで消されたバンクシー7作品

ブリストルにあったバンクシー作品で、現在は消されたり塗りつぶされた7作品を年代順に紹介していきます。

年代バンクシー作品名
1990年Take The Money And Run
2000年Heavt Wwaponry
2002年Masked Gorilla
2007年Police Sniper and Paper Bag Boy
2014年Mobile Lovers
2020年Valentine’s day
2020年Aachoo!!

Take The Money And Run

バンクシーの活動初期の作品『Take the Money and Run』は、同時代のストリート・アーティスト「Inkie」と「Mobz」とのコラボレーション壁画です。

『Take the Money and Run』の意味は、金を奪って逃げろです。

鮮やかな背景に名高い泥棒たちを描いた『Take the Money and Run』は、スラム育ちのか弱き純情野郎が、小才のきくのをいいことに、銀行強盗やら数々の事件を引き起こして愛嬌をふりまく映画『Take the Money and Run』、邦題『泥棒野郎』を引用しています。

Take The Money And Runの場所は、St. Andrew’s Road and Bath Buildings BS6 5PT

『Take the Money and Run』は、モントピーリア・ヘルスセンターの駐車場にひっそりとありました。

Heavy Weaponry

『Heavy Weaponry』は、背中にロケットを縛り付けた象が、バンクシーの特徴的なステンシル・スタイルで描かれています。

機知に富んだタイトルには、2つの意味が込められています。

『Heavy Weaponry』の意味は、重火器です。また、巨大で広範囲・高威力な7つの武器という意味もあり、その1つに高速の小型ミサイル群で着弾時にフラググレネードを散布する「The Elephant Gun」があります。

Heavy Weaponryの場所は、6 St Andrews Rd, Montpelier, Bristol BS6 5EH イギリス

『Heavy Weaponry』は、セント・アンドリューズ・ロードにありました。

Heavy Weaponryのエディション

『Heavy Weaponry』は、反戦・反軍事的なメッセージがあり、何らかの軍事的単労働を行っている象は、人と自然の両方に悪影響を与える軍産複合体を象徴しています。

『Heavy Weaponry』は、さまざまなエディションや形式で複製されました。

2000年版は、ブリストルの埠頭裏にあるセヴァーンシェッド・レストランで開催されたバンクシーの初個展で展示されました。灰色の背景にロケット象が描かれ、ロンドンとニューヨークに取り消し線が引かれ、ブリストルと描かれた限定10点のエディションが複製されました。

バンクシーは、映画スターで慈善家のレオナルド・ディカプリオに「Fragile(もろい)」と「Protect from All Elements(あらゆる要素から守る)」と木に書かれた『Heavy Weaponry』の複製品を寄贈しました。

『Heavy Weaponry』のエディションは、アメリカ合衆国の俳優ロビン・ウィリアムズも所有していました。

Masked Gorilla

『Masked Gorilla』は、ピンクのマスクで恥ずかしそうに顔を隠しているゴリラの作品です。

バンクシーは、人間と最も近い猿人類をモチーフに作品を描くことがよくあります。

進化論に基づき、猿やチンパンジーなどを人間より退化した存在として使用し、権力、汚職、消費主義を批判するバンクシーは、仮面舞踏会に参加するかのようなゴリラを通して繰り返しのメッセージを伝えています。

Masked Gorillaの場所は、157 Fishponds Rd, Eastville, Bristol BS5 6PR イギリス

『Masked Gorilla』は、フィッシュポンド・ロードにある旧ノースブリストル・ソーシャル・クラブの壁にありました。

この建物はのちに、ジャララバード文化センター (モスク) となり、2011年にモスクの所有者であるサイード・アーメッドによって塗りつぶされました。その後復元され、わずかに見える幽霊バージョンとなっていました。

2020年9月、美術修復会社エクスポーズド・ウォールズが許可を得て、建物から撤去し現在は同社が作品を所有しています。

Police Sniper and Paper Bag Boy/警察のスナイパーと紙袋の少年

『Police Sniper and Paper Bag Boy』は、建物の上から狙いを定める狙撃兵と、その後ろに立つ少年が紙袋で驚かそうとしている様子を描いています。

バンクシーは、反体制のメッセージとして警察をモチーフに作品を描くことがよくあります。

また、子ども時代の無邪気な象徴として少年や少女を描くこともよくあり、市民を監視する警察と無垢な子どもの二項対立が、ユーモアな作品の皮肉を強調しています。

Police Sniper and Paper Bag Boyの場所は、16 Upper Maudlin St, Bristol BS2 8DJ イギリス

『Police Sniper and Paper Bag Boy』は、ジャマイカ・ストリートを下った、ブリストル王立診療所 (BRI) とブリストル小児病院の建物の向かい側でも見ることができました。

2007年2月ごろから数年間は見ることができましたが、2011年に塗りつぶされました。

その後、別のアーティストによる作品が描かれました。

Mobile Lovers

バンクシーの『Mobile Lovers(モバイル・ラバーズ)』は、抱き合ったカップルが愛情を込めてお互いの目を見つめる代わりに、自分のスマホを見つめている壁画です。

Mobile Loversの場所は、Clement St ブリストル, イングランド

『モバイル・ラバーズ』は、スマホ依存症を生み出した現代社会を批判しています。ロマンチックな輝きはスマホのスクリーンから発せられており、最も親密な瞬間であっても、スマホが私たちの生活を支配しているという機知に富んだメッセージがあります。

絵画説明・解説
タイトルMobile Lovers
作品名モバイル・ラバーズ
年代2014年4月
場所クレメントストリート、ブリストル
意味スマホ依存症
特徴反体制・反権威主義反資本主義
メッセージ性スマホが私たちの生活を支配している

Valentine’s Day

バンクシー壁画『Valentine’s day(バレンタインデー)』は、バンクシーが初期にグラフィティを描き始めた場所であるバートンヒルに描かれた壁画です。

『バレンタインデー』は、空に向かってパチンコを打つ少女と、赤いバラとケシが爆発した様子を特徴に描いています。

Valentine’s Dayの場所は、1 Marsh Ln, Redfield, Bristol BS5 9SB イギリス

バンクシー代表作『風船と少女』『Love In The Air』の関連作品とも言われ、赤いハートの風船をパチンコで撃ち抜き咲いたバラは「愛情」、ケシは「恋の予感」という花言葉があり、この作品のメッセージを意味していると解釈できます。

絵画説明・解説
タイトルValentine’s day
作品名バレンタインデー
年代2020年2月14日
場所マーシュ レーン、ブリストル
意味愛情・恋の予感
特徴反体制・反権威主義
メッセージ性愛は風船のように飛んで行きやすく、爆発しやすい

Aachoo!!

バンクシーの『Aachoo!!(はくしょん!!)』は、ヘッドスカーフを被った年配の女性が、入れ歯が飛び出るほどのくしゃみをしている様子を特徴的に描いた壁画です。

Aachoo!!の場所は、1 Vale St, Totterdown, Bristol BS4 3BT イギリス

ベイル・ストリートという坂道に描かれた『Aachoo!!(はくしょん!!)』は水平にして見ると、年配の女性がくしゃみで家を倒しているように見えます。

コロナ禍でマスクを着用することの重要性を訴える作品は、マスクを着用しないことによって広がるウイルスは、街を破壊する可能性があることを警告する意味があります。

絵画説明・解説
タイトルAachoo!!
作品名はくしょん!!
年代2020年12月11日
場所ブリストル、トッターダウン、ベイル・ストリート
意味コロナ禍でマスク着用の重要性
特徴反体制・反権威主義
メッセージ性蔓延するウイルスは、街を破壊する可能性がある

ブリストル バンクシー デジタルツアー

バンクシーの故郷ブリストルを巡る18作品デジタルツアーへ、ご参加いただきありがとうございました。

ブリストルに残されたストリート・アート18作品の場所を示すマップを元に、現存する作品・保護された作品・消された作品別、年代順に詳しく紹介してきました。

お楽しみいただけましたでしょうか?

バンクシー非公式マガジンBANDAL編集部では、他の都市を巡るバンクシーデジタルツアーをご案内しております。

ぜひ、他の都市のバンクシー作品もお楽しみください。

ニューヨーク バンクシー デジタルツアー

バンクシーのストリート・アートは、消されたり、塗りつぶされたり、盗まれたり、保護されるなど、作品の運命は市民に委ねられています。

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バンクシー作品の意味

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