バンクシーの最新作『M+C』が、2024年12月16日14:00ごろ、本人の公式インスタグラムと公式サイトに投稿された。
バンクシーの2024年12作品目となる壁画作品。ロンドンの南西部、テムズ川の南側にあるクラッパム(Clapham)のシャッターに描かれているという情報もあるが定かではない。2024年8月5日〜12日までの1週間の間に、ロンドン各地で毎日作品を公開した『動物シリーズ』以来、4ヶ月ぶりの投稿となった。
1年前の2023年12月22日には、反戦を訴える『STOP WAR』を公開し、2年前の2022年11月12日には、ウクライナでの戦地作品を残した。
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バンクシー最新作『M+C』の意味とモチーフ
バンクシー最新作は『授乳の聖母』をモチーフに、聖母マリアがイエスに母乳を与えようとしている様子が描かれている。しかし、鉄板の錆で表現された母乳に、イエスは困った表情を浮かべている。まるで、イエスの将来の「受難」を意味しているようだ。
インスタグラムのコメントには、「Free Palestine!」とパレスチナ・ガザへのメッセージも多く見られる。
バンクシー最新作『神の愛の宣教者会』の意味
バンクシー最新作のファイル名は、「m+c2000px」となっている。
「2000px」はサイズを意味しているが、「m+c」は、「Mother&Child」もしくは、「Missionaries of Charity(神の愛の宣教者会)」を意味していると考えられる。
神の愛の宣教者会とは、1950年にマザー・テレサによって設立された、カトリックの女性のための教皇権の奉献生活の中央集権的な修道会を意味している。修道会のメンバーは、貞潔、清貧、服従の誓願と、4番目の誓願である「最も貧しい人々に心からの無償の奉仕」を守らなければならない。
宣教師たちは、難民、元売春婦、精神障害者、病気の子供、捨てられた子供、ハンセン病患者、エイズ患者、老人、回復期の人など、さまざまな人々をケアしています。彼らは、捨てられたストリートチルドレンを教育するためにボランティアが運営する学校を運営し、炊き出しやコミュニティのニーズに応じたその他のサービスを提供しています。これらのサービスは、宗教や社会的地位に関係なく、人々に無料で提供されています。
引用元:Wikipedia(https://en.wikipedia.org/wiki/Missionaries_of_Charity)
バンクシー公式展覧会「CUT&RUN」のその後
バンクシーは、2023年6月15日〜8月28日まで公式展覧会「CUT&RUN」を、スコットランド・グラスゴーにある現代美術館「Gallery of Modern Art(GoMA)」で開催した。
その後、「CUT&RUN」公式サイトで、「この展覧会を各地で開催したいが、まだどこで開催するかは決まってない」と掲載している。
今後は、「CUT&RUN」の次回開催や、戦地での作品発表なども予想される。