「銃を持つパンダ(Panda With Guns)」は、本物のバンクシー作品であると広く信じられてきました。
日本でもバンクシー作品として有名ですが、驚くことに海外では本物のバンクシー作品ではないと言われています。海外では、Julien Fanton D’Andon(ジュリアン・ファントン・ダンドン)というフランス人が、ドイツのベルリンを拠点とする「 Bad Panda Records 」というレコード・レーベルのロゴとして制作したと知られています。
最も重要なのは、仮に本物のバンクシー作品ではないとしても「銃を持つパンダ」は、考えさせられる意味を持つ視覚的に印象的なアートワークだということです。
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なぜ、本物のバンクシー作品と言われたのか?
「銃を持つパンダ」は、バンクシーのグラフィティ・スタイルが非常に似ていることから、多くの人がバンクシーの作品であると信じていました。
また、平和の象徴と武器と矛盾は、バンクシーの反戦争という繰り返しのテーマと一致しています。作品にバンクシーのサインはないですが、本人から偽物という公表もないため、バンクシーの作品として広まっていきました。
そして、バンクシーの名前を利用した「偽物バンクシービジネス」が横行した結果、日本でもバンクシーの作品として広まっていきました。
銃を持つパンダの意味とは、温厚も時には凶暴に?
「銃を持つパンダ」は挑発的な姿勢で、2つの拳銃を持つ白黒のパンダを描いています。
ユニークなステンシル技法でダークユーモアと強力なメッセージを組み合わせたグラフィティは、深いコントラストを生み出しアートの背後にある意味を問題提起しています。
動物園などで見るパンダは、ゴロゴロ転がり可愛くて無害な生き物です。ほとんど立ち上がることのないパンダが立ち上がることを決意し、暴力や戦争を連想させる銃を構えています。
銃を持つパンダのメッセージは、凶暴と温厚の2面性
おとなしくで恥ずかしがりという性格のパンダですが、中国ではわりと頻繁に動物園の飼育員や来園者がパンダに襲われて、ケガを負う事件が起きています。
見方によっては、友好の証として貸与されたパンダが銃を高く構え、今すぐの決断を迫っているようにも見えます。
日頃は、おとなしくしている人も、時には怒りを見せるという解釈もできます。
バンクシーの動物モチーフ作品集
バンクシーは、さまざまな動物を作品のアイコンとして登場させてきました。ネズミや、サルが多く登場する中でパンダをアイコンにしたアートワークは、この作品だけです。
バンクシー「銃を持つパンダ」についてよくある質問
バンクシー風作品「銃を持つパンダ(Panda With Guns)」について、よくある質問に回答しています。
バンクシーのパンダはどこにありますか?
「銃を持つパンダ(Panda With Guns)」は、2000年頃にロンドンのストリートに描かれたという情報もありますが、不確かです。海外では本物のバンクシー作品ではないと言われています。
バンクシーのパンダの題名は?
海外では、バンクシー風の作品を意味する『BANKSY STYLE』の作品として知られています。
題名は、『Destroy Racism Panda(人種差別を破壊するパンダ)』や『Panda With Guns(銃を持つパンダ)』として有名です。
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バンクシーはイスラエルが「テロ攻撃から自国民を守る」という名目で建設を続ける分離壁や、イスラエル軍の攻撃で疲弊したガザ地区に反戦を訴える作品を残してきた https://t.co/1jtF867IPj pic.twitter.com/3nAlT0vs1V
— BANKSY🎈バンクシー非公式マガジン (@bandal_jp) October 7, 2023
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