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バンクシー作品解説

バンクシー『Keep it real』意味・スラングは90年代後半ヒッピー文化?自分らしくあれ・自分を見失わない

バンクシー作品の特徴的なチンパンジーが持つ看板に書かれた「Keep it real」の意味を直訳すると「本当のままにしておけ」です。

これでは意味がよくわかりませんが、スラング表現で「自分らしくあれ」というような意味になります。

本質が伴ってないのに格好つけたり、偽ったり着飾ったりするのではなく、自分に正直であれ。というようにネイティブでは人を励ましたり、注意したりする時に使います。

「Keep it real」は、アメリカ西海岸のヒッピー文化から生まれたスラングと言われています。

社会の目や親の期待などで、本当に自分が送りたい人生を歩めていない人が、お金や社会的な立場など関係なく「自分らしくあるのが、リアルなんだ」と放つ言葉になのです。

バンクシーはチンパンジー作品で、何を伝えたかったのでしょうか。

「Keep it real」の意味は、服従と支配

Keep it realエディション|バンクシー

「Keep it real」は、バンクシーの最も象徴的で人気のある動物シリーズの1つです

このチンパンジーは「Keep it real」の看板を持った、サンドイッチマンと呼ばれる格好をしています。

サンドイッチマンは歩く広告と呼ばれ、人の胴の前面と背中の両方に看板を取り付け、宣伝して歩く人のことを指します。

「自分らしくあれ!」と訴えかけるには、物悲しげな表情をしているチンパンジー。その姿は、無関心で、腰の鈍い肩が前かがみになり、腕が横にたるみ、重い眉に皺が寄せられています。

この謎めいたチンパンジーは、服従と支配を同時に表す愛すべき弱者なのです。

落胆した大衆と体制を表現するチンパンジー作品

Laugh Now

バンクシーのチンパンジーは、2002年にブライトンのモーリーストリートにあるナイトクラブ「Ocean Rooms」から委託されたステンシル壁画で、初めて登場しました。そこでは、10匹のチンパンジーが軍国主義的に1列に並んで立っています。

バンクシーは服従の視覚的表現として、従順、劣等感を連想させるチンパンジーを採用し、資本主義の下で落胆し、抑圧された労働者階級の抗議デモのようにメッセージを発信しています。

一方で、チンパンジーは純粋におとなしい存在ではなく、逸脱したいたずら好きな賢いキャラクターと見なされることもあります。

ダーウィンの進化論への連想を通して、落胆した大衆と体制の権威主義的な人物の二重性を表現していることがわかります。

バンクシーの猿・チンパンジー作品

バンクシーの最も象徴的で広く普及した動物シリーズの1つであるチンパンジー作品は、現代生活の社会政治についてシニカルな言葉を発信しています。

冷笑的なダジャレ、機知に富んだオチ、アンチテイストと衝撃的なメッセージで、現代社会における権威主義的な体制へ問題提起する多義性があります。

これが、バンクシー作品の魅力で、数十年にわたってストリートアートで中心的な存在であり続けている理由です。

「ラフ・ナウ」Laugh now

「モンキークイーン」

「モンキー・デトネーター」Monkey Detonator

「モンキー・デトネーター」Monkey Detonator

「ある時点で、1000匹のサルに1000個のタイプライターを与えたら、あなた自身が小説になるだろうと彼らは言います。1000匹のサルに1000本のダイナマイトを与えたら、彼らが街を1つの場所にするのにどれくらいの時間がかかるか疑問に思っていました。より美しく見える場所。」

「モンキー・パーラメント」Monkey Parliament

「Keep it real」のオークション結果

「Keep it real」は版画としてリリースされたことはなく、オリジナルの絵画としてのみ存在しています。

赤い「Keep it real」

Keep it real|バンクシー

「Keep it real」の赤版は、2017年1月19日にサザビーズ香港で開催されたオークションで121,861米ドルで販売されました。

年代2002年
画法
キャンバスにステンシル スプレー ペイントとアクリル
サインステンシル署名
番号3/15
サイズ25×20cm(8 1/8×7 7/8インチ)
オークション
サザビーズ香港 / 2017年1月19日
値段937,500 香港ドル / 120,861 米ドル

アクリル版の「Keep it real」

Keep it real|バンクシー

「Keep it real」のアクリル版は、2021年10月15日にサザビーズで開催されたオークションで499,000イギリス・ポンドで販売されました。

年代2002年
画法
キャンバスにアクリルとスプレーペイント
サイン転覆端にアーティストの署名
エディション10/15
サイズ30.5 x 30.5 cm (12 x 12 インチ)
オークション
サザビーズ ロンドン: 2021年10月15日
値段
499,000イギリス・ポンド

バンクシー展で紹介された「Keep it real」

バンクシー展では「Keep it real」を、このように解説されてました。

不幸なことに今日のメディア時代において、人間の個性は失われるか、反対に見せかけだけの滑稽なものになっている。親や社会の価値観を押し付けられ、押しつぶされそうになっても自分を信じて自分に正直に進めば良いんだと聴く人に励ましの意味を込めた歌詞がつけられています。

バンクシーは、この地球の誰もが自分自身に対して正直であり続け、「本当の自分」が面白いと思う方向に進む権利があると信じている。

2002年は、エリザベス2世女王在位50年記念の年

2002年は、エリザベス2世女王在位50年記念の年

「Keep it real」の意味は「自分らしくあれ」の他に「じゃあ、またね」という意味もあります。

気心の知れた友人同士で使うのに適している、かなりカジュアルな別れの挨拶です。

初めてチンパンジーを作品にした2002年は、エリザベス2世女王在位50年記念の年でした。

もしかすると、バンクシーは体制側の女王エリザベス2世に、服従と支配を意味するチンパンジー作品でシニカルに挨拶をしたのかもしれませんね。

Keep it real!!

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