バンクシーが、ニューヨークで開催したレジデンス・アート「Better Out Than In」。
ブルームバーグ市長が「他人の所有物や公共物にいたずらしたり汚したりする行為は、私に言わせれば芸術とは言えない」と記者会見で不快感を表し、ニューヨーク市警察に対して「バンクシーが落書きを描いているところを見つけた場合は、すぐに逮捕するように」と、指示を出すなど街中の話題になっていた23日目。
この日の午前中「バンクシーが逮捕された」という噂が、インスタグラムを中心に広まりました。
バンクシーが逮捕された?
「バンクシー逮捕」の噂の発端は、バンクシーのインスタアカウントへのコメント投稿でした。
今朝6時頃、バンクシーと2人の助手が作品を描いるところを逮捕したと、ニューヨーク市警察署「第79管区」の友人から聞いたよ。警察は、別の場所でもバンクシーたちを映像に撮っていたんだ。
Friend at 79th precinct said they nabbed banksy and 2 helpers in the act this morning around 6:00 a.m. They have them on video at another location too.
しかし、ニューヨーク市警察の広報は「第79管区で、落書きに関する逮捕者はいません」と、この噂を否定しました。
さらに、「バンクシーは、逮捕されていません」と具体的に述べました。
Cancelledの意味は、中止
ニューヨークでの「Better Out Than In」を開催中、ウェブサイトで作品の発表とともに、写真と街の名前、メッセージ、音声ガイドが毎日公開されました。
2013年10月23日(水)11:30頃に登場したのが、いつもと異なるメッセージが書かれた写真でした。
Today’s art has been cancelled due to police activity
直訳すると、「今日のアートは警察の動きにより中止となりました」となります。
31日の中で唯一、作品が登場しなかった23日目。
午後から夜にかけて、作品が投稿されるかもと予想したファンもいたようですが、この日は他に何も投稿されませんでした.
ここがもし、ニューヨークではなくリオデジャネイロであれば、幻となった作品も見れたかもしれません。
ストリート・アートが合法なブラジル
2009年3月、ブラジル政府はストリート・アートを合法化する法律「706/07」を可決しました。都市の建物やモニュメントの汚損を罰する連邦法の改正により、所有者の同意を得て行うストリート・アートは合法化され、真のルネッサンスに拍車をかけました.
リオ・デ・ジャネイロでは、ストリート・アートが至る所に見られます。美術学校ではストリート・アート専用のカリキュラムが作成され、サンパウロでは「グラフィティ・ファイン・アート」の展覧会が開催されました。
ストリート・アートは街とスラム街を結ぶ、コミュニティ構築の重要なツールです。「ファベーラ・ペインティング(スラム街の壁画)」は、街や丘全体を描くアート組織を形成しています。
そして、最も重要なことは、ストリート・アーティストと建物の所有者との関係が大きく変化したことです。所有者はアーティストに作品を依頼することが多く、アーティストは所有者に建物のペイントする許可を取ります。まさに「市民と都市の合意」です。
ストリート・アートは、スラム街から上流階級の地域まで、街の隅々に存在しています。それは大胆なスケールと美学であり、落書きではありません。ストリート・アートと都市構造の統合は、街を歩けば明らかです。
ストリート・アートは、都市の美学とコミュニティ構築に貢献するのです。