バンクシーが、ニューヨークで開催した「Better Out Than In」の初日。
2013年10月1日に公開したのが「Graffiti is a Crime」という看板に落書きする2人の少年を描いた「The Street is in Play」です。
Graffiti is a Crimeの意味は、落書きは犯罪です
2013年10月1日(火)マンハッタン区の南部に登場した「The Street is in Play」。
このスプレー・アートは、バンクシーの作風が良く表れた作品です。複雑に切り抜いた型の上から白黒のスプレーで吹き付けられた少年は、陰陽がはっきりとしており立体的に見えます。この手法はステンシル技法と呼ばれており、バンクシー作品の1つの特徴になっています。
「Graffiti is a Crime」の意味は「落書きは犯罪」です。
落書き禁止の看板に手を伸ばす少年を、落書きするというユーモア溢れる1作品目。
手を伸ばす少年のお腹あたりには、落書きを消したであろう跡があります。その上に落書きを禁止する看板がありますが、この看板もバンクシーが描いたと言われています。
The Street is in Playと共に音声ガイドを公開
ニューヨークでの「Better Out Than In」を開催中、毎日ウェブサイトで作品の発表とともに、写真と街の名前、メッセージ、音声ガイドが掲載されました。
1日目は街の名前「Manhattan」とともに、このような謎のメッセージが掲載されました。
The Street is in Play
直訳すると、「ストリートが活躍中」になります。
まるで、2013年10月1日から1ヶ月間に及ぶアーティスト・レジデンシーでの活躍を、予言するかのようなメッセージです。
そして、グラフィティというストリート・アートの源流が禁止されても、ストリートアーティストは活躍しているという皮肉的なメッセージとも解釈できます。
ニューヨークで作品が描かれた場所
バンクシー・ダズ・ニューヨークの1日目は、Manhattan(マンハッタン区)のLower East Sideに描かれました。
折衷的なロウアー・イースト・サイドには、砂ぼこりの立つ路地や長屋形式の建物と、高級マンションやシックなブティックが混在しています。
特に、Allen Street(アレン・ストリート)は、移民の歴史を物語る場所にある大通りです。チャイナタウンの近くにあるストリートに、ショーの幕開け「Graffiti is a Crime」は登場しました。
そして、この作品を見に芸術系の学生や、配管作業員、画廊の店主などが集まりました。宝探しのように人々が集まる中「Graffiti is a Crime」は、4時間後に白いペンキで塗りつぶされました。
ストリート・アートは、存在している間に見つけなければなりません。作品を見たくても、塗りつぶされてしまうこともあります。こうして、みんなが宝探しのようにニューヨーク中を駆け回る1ヶ月間が始まりました。