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バンクシー『What we do in life echoes in Eternity』意味はグラディエーター名言?ニューヨーク14日目

バンクシーが、ニューヨークで開催したBetter Out Than In」の14日目。

2013年10月14日に公開したのが、掃除人によって洗い流されているピンクの落書き文字「What we do in life echoes in Eternity」です。

Echoes in Eternityの意味は、永遠に響き渡る

2013年10月14日(月)クイーンズ区に登場した「What we do in life echoes in Eternity」。

この作品は、バンクシーの手書きスタイルのタイポグラフィーや白黒のステンシルなど、バンクシーの特徴的な要素を取り入れている作品になっています。

「What we do in life echoes in Eternity」の意味は「私たちが人生で行うことは、永遠に響き渡る」です。

バンクシーのストリート・アートが永遠に響き渡るというかのような作品ですが、男性が壁からその作品を拭き取り始めています。

この作品には、どんなメッセージがあるのでしょうか。

モチーフは、映画「グラディエーター」の名言

ニューヨークでの「Better Out Than In」を開催中、毎日ウェブサイトで作品の発表とともに、写真と街の名前、メッセージ、音声ガイドが掲載されました。

14日目は街の名前「Queens」とともに、このような謎のメッセージが掲載されました。

少し低俗な情報源を使用していると批判する人もいますが(この引用は「グラディエーター」からのものです)、ご存知ですか?Xファクターでケリー・ローランドが言ったように、「私はその敵意を使って、私を弱くするのではなく、強くするつもりです。」

Some people criticize me for using sources that are a bit low brow (this quote is from ‘Gladiator’) but you know what? “I’m just going to use that hostility to make me stronger, not weaker” as Kelly Rowland said on the X Factor.

バンクシーが掲載しているようにこの言葉は、2000年の映画「グラディエーター」のマキシマスの名言です。

ローマ軍将軍マキシマスに信頼を寄せる古代ローマの皇帝アウレリウスは、次期皇帝の座をマキシマスに譲ろうと考えていました。それを知った野心家の皇太子コモドゥスは、父であり皇帝のアウレリウスを殺して玉座を奪い、マキシマスに死刑を宣告します。

マキシマスは故郷へ逃れますが、コモドゥスの手下に妻子を殺されてしまいます。絶望の中、奴隷に身分を落としたマキシマスはやがて剣闘士(グラディエーター)として名を上げ、闘技場で死闘を繰り返しながらコモドゥスへの復讐を誓います。

この映画は、第73回米アカデミー賞で作品賞など5部門に輝き、ラッセル・クロウは主演男優賞を受賞しました。

そして、主演ラッセル・クロウ、監督リドリー・スコットの黄金コンビは、その後も数々のヒット作を連発していくのでした。

ストリート・アートが「永遠に響き渡る」という作品が、掃除人によって洗い流されている様子は、「私はその敵意を使って、私を弱くするのではなく、強くするつもりです。」というように、消されることで強くなっていると解釈できます。

ニューヨークで作品が描かれた場所

バンクシー・ダズ・ニューヨークの14日目は、Queens(クイーンズ区)で初めての作品になりました。

クイーンズは、ニューヨーク市内で最も東に置かれた5つの区のうちの1つです。数多くの移民の居住地となっており、世界で最も民族的多様性に富む都市地域と言われています。

制作中を目撃したという人は、朝早く防水シートで覆われている中で作品を描いている男を見たと証言しました。誰かが撮影しようとした時、男は逃げていったそうです。

作品が描かれた白い倉庫の建物は、78歳のマリア・ブーダノスが所有していました。彼女は1014日までバンクシーのことを聞いたことがなく、作品の見物人の群れに衝撃を受けこのように話しました。

今朝、起きて窓の外を見てみると、ここには100人以上の人がいました。作品を見た時は『ああ、なんて素敵なストリート・アートだ。』と思いました。何も悪いことが起こらないことを願っています。

しかし、その後すぐに反バンクシーのライバルが「Problem Child NYC(問題児 NYC)」と「Banksy x Berdo」というタグで作品を汚損しました。

バンクシーは、ロビン・フッド?

中世イングランドの伝説の義賊「ロビン・フッド」は、シャーウッドの森に潜んだ仲間と共に、みごとな長弓の腕前でノッティンガムの悪代官を懲らしめ、金持ちから金品を盗み貧民に分け与える、イギリスでもっとも人気のある民衆的英雄です。

国家や領主などの権力者からは犯罪者とされながらも、大衆から支持される「バンクシー」は、悪をこらし善を救うことをたてまえとする盗賊「ロビン・フッド」と重ねて「現代のロビン・フッド」と表現されることが多くあります。

先述した、映画「グラディエーター」の主演ラッセル・クロウと、監督リドリー・スコットの黄金コンビは、2010年5月にアメリカとイギリスの合作映画「ロビン・フッド」を公開しています。

ロビン・フッドを演じたラッセル・クロウは会見でこのように話しています。

子どものころからロビン・フッドの伝説が大好きだったよ。ただ、レジスタンスに目覚め、民衆のために立ち上がる過程はあまり描かれてこなかった。今回はロビン・フッド像に対して歴史的な文脈から切り込みたかったんだ。

イギリス出身のバンクシーが、アメリカでの活動Better Out Than In」で、映画「グラディエーター」から引用した作品「What we do in life echoes in Eternity」。

直前で公開されたイギリスとアメリカの合作映画と自身の活動と重ね合わせた作品は、専門家の解説がなくても、アートの意味がわかるようになっています。

バンクシーは、非常に計算高く、権力や侵略者などに対する抵抗に目覚め、民衆のために立ち上がる現代のロビン・フッドなのです。

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