バンクシーが、ニューヨークで開催した「Better Out Than In」の17日目。
2013年10月17日に公開したのが、橋の上で2人の女性が挨拶を交わす様子が描かれた「Japanese Bridge」です。
Japanese Bridgeの意味は、日本橋
2013年10月17日(木)ウィリアムズバーグ地区とベッド・スタイ地区の区境に登場した「Japanese Bridge」。
日本の伝統的な着物を着た2人の芸者や幅の広い帯、日傘、扇子などが、特徴的なステンシル技法で描かれています。既存の建物の建築ディテールを、日本庭園の橋として利用しています。その橋の下には、盆栽も描かれています。
「Japanese Bridge」の意味は「日本橋」です。
この作品は、公開されてからわずか数時間後に損傷を受けました。
ニューヨークで作品が描かれた場所
バンクシー・ダズ・ニューヨークの17日目は、ウィリアムズバーグ地区とベッド・スタイ地区の区境にある、クック・ストリートに描かれました。
そして、公開されてからわずか数時間後に損傷を受けましたが、非公式の「Banksy Community Restoration Crew(バンクシー作品復元チーム)」が現れ、復元されました。
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ニューヨーク市警察に、指名手配される
バンクシーは、「屋内で描かれたすべての絵が、屋外で描かれた絵ほど良くなることは決してない」というポール・セザンヌの言葉「Better Out Than In」を念頭に置いて、10月1日からニューヨーク中に足跡を残してきました。
そして、公式ウェブサイトで毎日、作品の発表とともに、写真と街の名前、メッセージ、音声ガイドを掲載しました。
17日目は、街の名前「Bed Stuy / Williamsburg」とともに、NYポスト紙の写真とメッセージを掲載しました。
I don’t read what I believe in the papers.
直訳すると、「私は新聞で信じていることを読んでいない」となります。
ニューヨークの極右タブロイド紙「New York Post」は、バンクシーの追跡を強化するようニューヨーク市警察(NYPD)に促すような「GET BANKSY!」という見出しを朝刊に掲載しました。
ニューヨーカーの多くは、かつて犯罪防止に関する「割れ窓理論」を信じてきましたが、バンクシーの1カ月にわたる活動は「誰も地域に対し関心を払っていない」という状態を覆す存在になっており、この事実に耐えられない勢力(ほとんどが右翼)が、この街にいるのは確かでした。
New York Post紙は「警察はバンクシーを追い詰めている」と主張していましたが、バンクシーは「私は新聞で信じていることを読んでいない」と一蹴しました。
ニューヨーク市長もバンクシーを批判
ニューヨークのブルームバーグ市長は、記者会見でバンクシーについて尋ねられると「落書きは腐敗とコントロールの喪失の兆候」と言いました。
市長は、グラフィティがアートの一種だとはまったく考えていないとして、次のように発表しました。
アートは芸術であり、私ほど芸術の支持者はいません。アートのための場所と、アートのためではない場所があると思います。そして、あなたが誰かの財産や公共の所有物に駆け寄り、それを汚すことは私のアートの定義ではありません。もしかすると、芸術かもしれませんが、それは許されるべきではありません。そして、それはまさに法律が言っていることだと思います。
Art is art, and nobody’s a bigger supporter of the arts than I am. I just think there are some places for art and there are some places [not for] art. And you running up to somebodyâs property or public property and defacing it is not my definition of art. Or it may be art, but it should not be permitted. And I think thatâs exactly what the law says.
ニューヨーク市警察は、バンクシーの影響を受けた建物の所有者が、起訴することを熱望していました。
しかし、ニューヨーク市警察が、バンクシーの追跡を強化するとどうなるでしょう。バンクシーが必要としている訳ではありませんが、ブルームバーグ市長の発言などは、単にバンクシーの悪名と名声に貢献するこれ以上ない宣伝になりました。